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百草園薬局

食欲の秋と漢方薬

山形も朝晩涼しくなり、めっきり秋らしくなりました

これからフルーツや新米・新そばが出回り始めて、山形は食べ物が美味しい季節です

秋といえば「食欲の秋」胃腸の調子も気になります

漢方では、胃や小腸などの胃腸の働きを脾(ひ)と呼びます

脾は栄養を吸収して、体の体液や血液を作り全身に巡らせる働きがあります

夏は体を冷やす為に汗をかきます

その為、冷たい物を飲む事が多く脾の機能が弱ります

そして秋になり涼しくなるにつれ、冷たい物を摂らなくなる為に脾の働きが回復して食欲が増すのです

それでは脾の働きが良くない方が食欲も抑えられ、良いのではないかと思われるかも知れませんが脾は漢方でも大切な役割を担っています

脾の働きの1つに、水分の代謝を調整する機能があり脾が弱るとむくみ、痰が多く出る、下痢などがおこります

このような時には脾を丈夫にする朝鮮人参の入った処方を用います

また脾には「血」をコントロールする働きもあり脾が弱ると血が止まりにくくなります

具体的には、不正出血・月経量の減少・生理が止まる…などの症状が出ます

このような方には胃腸を元気にし「血」の調子を整える処方を用います

脾の機能を弱めない為には普段から、冷たい飲食物や、暴飲暴食そして深夜の飲食は控えるなど…胃腸に負担をかけない事が大切です

漢方の世界では秋の季節を「容平」(ようへい)と呼び、万物が実を結び、全てが引き締まり、収納をする時期としています

つまり秋は体の栄養を蓄えるべき時期でもあるのです、秋は太ると思われがちですが、寒くなると動物は体温を維持する為に、新陳代謝が高まりカロリーは消費されて痩せ易くなります

適度に栄養を蓄える事は冬を乗り切る為にも必要なのです

脾を丈夫にして、おいしく山形の秋の味覚を堪能したいものです

羽田空港にて撮影

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