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黄柏(キハダ)について

  • 執筆者の写真: 百草園薬局
    百草園薬局
  • 7月21日
  • 読了時間: 2分

更新日:7月23日

【漢方の知恵】苦味に秘められた力「黄柏(おうばく)」とは?


今回は、漢方生薬の中でも「苦味の王様」とも言われる黄柏(おうばく)についてご紹介します


◇黄柏とは?

黄柏はミカン科の落葉高木「キハダ(黄檗)」の樹皮から作られる生薬です

樹皮の内側が鮮やかな黄色をしていることから「黄柏」と名付けられました

中国では古くから使用され、日本でも『本草和名』などの古典に記載されています


◇味と性質

五味:苦(く)

五性:寒(かん)

帰経:腎・膀胱・大腸・肝・心経

その苦味と寒性から、体内の「熱(ねつ)」を冷ます作用に優れ、炎症や湿熱による症状に使われます


◇主な薬効

① 清熱燥湿(せいねつそうしつ)

→ 体内の余分な熱や湿気を取り除く作用

黄柏は、特に「下焦(かしょう)=体の下部」にこもった熱を冷ます働きがあります

例えば、膀胱炎やおりもの、痔、陰部のかゆみなどに応用されます


② 解毒作用

→ 腫れや化膿などを抑える効果

皮膚疾患(湿疹・ニキビ・化膿性皮膚炎など)にもよく使われます

苦味と寒性で、赤みや熱を持った皮膚症状を沈めます


③ 補腎作用(腎陰虚の熱)

→ 虚弱体質や老化に伴う「虚熱」に対応

知母(ちも)と組み合わせて「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」などに配合されることが多く、夜間頻尿・のぼせ・寝汗などにも有効です


◇ よく使われる漢方処方

処方名と主な適応

〇黄連解毒湯→顔の赤み、イライラ、口内炎、高血圧の傾向

〇竜胆瀉肝湯→膀胱炎、尿道炎、陰部のかゆみ、肝火上炎

〇知柏地黄丸→更年期障害、寝汗、慢性疲労、虚熱症状


◇黄柏の注意点

寒性が強いために、冷え性の方は単独での使用は注意です

→ 補気・温陽系の生薬(桂皮、附子など)と併用されることが多いです


苦味が強く、胃腸が弱い方には合わない場合もあります

→ 服用中に胃の不快感が出た場合は中止・減量を検討します


黄柏は「苦味と寒性」で体の熱や炎症を鎮めてくれる、生薬界のクーラーのような存在です

皮膚トラブル、下半身の炎症、虚熱などに幅広く活用され、現代においても非常に需要の高い生薬です


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