タウンページ(電話帳)について考える…
- 百草園薬局
- 8月4日
- 読了時間: 3分
先日百草園薬局に、うちの広告が載るタウンページの切り抜きを握りしめて来局された老夫婦がおりました
「ここに書いてある症状…当てはまるんですけど…」
「相談のってもらえますか?」
山形市ではなく、遠い置賜地方からの患者様でした
かつて、どの家庭にも当たり前のように置かれていた「タウンページ」
黄色い分厚い冊子は、地域の商店や病院、企業の電話番号を一覧できる貴重な情報源でしたが、時代の流れとともにその姿は徐々に消えつつあります
廃刊・縮小の流れが進む中、それでもなお「タウンページ」が必要とされる声もあります
■ なぜタウンページが重視されなくなったのか?
● インターネットの台頭
最大の理由は、なんといってもスマートフォンとインターネットの普及です
今やGoogle検索をすれば、ほとんどの情報が瞬時に手に入る時代
営業時間から、近隣の店舗の評判まで、紙の電話帳に頼る必要はなくなっています
● 経済的な問題
印刷費、配布費、管理費…数百万部にのぼる冊子の制作・配送には莫大なコストがかかります
一方、企業側も広告出稿先としてWebに予算を移しつつあり、電話帳広告の需要は年々減少しており、維持が難しくなっているのが現実の様です
● プライバシー意識の高まり
個人宅の電話番号を載せることへの抵抗感も強まってきています
個人情報保護が重視される現代において「知らない人に電話番号を知られる」ことへの不安は無視できないのもあります
■ それでもタウンページが求められる理由
● デジタル弱者の存在
百草園薬局へ来られた患者様の様に、紙の電話帳を今でも利用している人は一定数います
特にインターネットに不慣れな高齢者層にとっては、タウンページは「安心できる使い慣れた道具」なのです
電源も通信も不要で、目当ての業種をぱっと探せる強みがあります
● オフラインの強み
停電、災害、通信障害…そんなもしもの時にはは流石に紙の情報は強いです
水道局や電力会社、役所の番号を即座に確認できる電話帳の価値は、インフラの弱点を補う備えとして見直されることもあります
便利さの陰で見失うもの…
テクノロジーは確かに私たちの生活を便利にしてくれました
しかしその裏で失われていく「紙の安心感」「一覧性」「災害時の備え」といった価値にも、もう一度目を向けてみてもよいのかもしれません
「古いから消える」のではなく「残る理由があるから生きている」タウンページが教えてくれるのは、そんな静かなメッセージかもしれません…
山形の漢方は百草園薬局

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