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一貫性なき漢方薬局が信頼を失いかねない理由

  • 執筆者の写真: 百草園薬局
    百草園薬局
  • 13 分前
  • 読了時間: 3分

漢方薬局と言っても多種多様です

「うちは様々な流派の商品を扱っている」「中医学も古方も、和漢も全部やってます」というのは、一見すると懐の深さのように見えます

しかしそれが単なる寄せ集めで、パッチワーク的な品揃えであれば、残念ながらそれは漢方の本質を大きく見誤っていると言わざるを得ません


■漢方には長い歴史と多様な流派が存在します

中国の中医学・古方派(傷寒論を重視する日本的解釈)・後世派・さらには和漢や民間薬の流れまで…確かにどれもそれぞれの理論体系を持ち、一定の成果を挙げてきたことは否定できません


しかし、これらは互いに根本的な思想が異なる場合も多く「方剤の選び方」「証の立て方」「診断の視点」までもが違います

それを何の哲学もなく並列的に扱うと「この患者さんにはこの処方が効く」と言える根拠が曖昧になります

要するに「選んだ理由」が問われたときに、答えに一貫性がなくなってしまうのです


■患者さんの信頼は「芯」に宿る

今の時代、情報はネットでも溢れています

患者さんは「本当に自分に合った漢方薬が欲しい」「この人に任せたい」と思って来局します

そのときに薬局側が「あなたの証は分かりませんが、あれこれ試してみましょう」「あっちの流派だとこうですし、こっちはこうも言ってます…」と言ってしまったらどうなるでしょうか


それは「漢方薬局」に来た意味を否定することと同じです

患者さんは医療機関では得られない思想に基づいた処方を期待して来ています

その芯を失ってしまった薬局には、継続的な信頼は生まれません


■軸を持ってこそ、必要なときに応用が利く

もちろん複数の流派を学び、融合を目指す姿勢そのものを否定するわけではありません

しかしそれは「自分の核となる思想・診断法」が確立されている者が、その上で応用する場合に限られます


例えば、基本は古方に則って診るが、補助的に中医学の理論を使う

あるいは中医学を基盤にして、古方の処方を適応的に組み込む…

そうした「軸」のある柔軟性ならば、むしろ理想的です

問題は「軸がないまま取り入れていること」にあります


■「なんでも屋」ではなく「専門家」であれ!

漢方薬局が繁盛し、信頼されて社会的な役割を果たしていくには、専門家としての一貫した思想と診断哲学が必要です

患者さんはモノを買いに来ているのではなく、診たてと選びのプロセスにお金を払っています


流派を超えて扱うにしても、「自分は何者か」「何を基準に判断しているのか」を明確に示せる薬局であることが大前提です


山形の漢方薬は百草園薬局

山形市本町にオープンしたメキシコ料理屋さん

かなり内装も凝って、料理も美味しいお店でした!

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山形県山形市旅篭町1丁目8-6

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